第10期 第8回講義


第8回講義は科学技術振興機構(JST)研究開発戦略センターのフェローであられる宮下哲様にご講義いただきました。

 

前半の講義では、宮下様のキャリアパスとCRDSでのお仕事についてお話いただきました。大阪大学で博士号を取得された宮下様は、分子科学研究所にて一度ポスドクを経験されました。ポスドク時代、研究者として今後のキャリアを考えたときに不安を感じた宮下様は科学に携わる他の道を探し、現在のJSTに入職されたそうです。転職された際の心境は、日々研究に勤しむ塾生に想像しやすく、私も科学との関わりを考えざるを得ませんでした。また、文部科学への出向、CRESTなどの国家科学戦略の決め方などJSTが実際に行なっている業務についてもお話いただきました。講義を通じて、いかに研究者たちが支えられているかを知り、非常に身の引き締まる思いとなりました。

 

後半のディスカッションでは、日本の科学政策・政治について話が盛り上がりました。日本の政治を変えるためには博士が必要であり、どうすれば博士が日本の政治に参加できるか白熱した議論がなされました。現在の日本がいかに危険な状況か、そしてそのために自分がどうすべきか深く考える会となりました。

 

文責・下村優